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「おはよー君塚くん!」
ここは俺のマンションの前。
「おはよ。」
こんな生活が始まって1週間。
あの話をしてから、
こいつ宮田 晴(16)に追い回されている。
「あのさーお前・・・」
「お前じゃなくて、晴!! それに何度言われても、太陽が真っ赤に見えるまで離れない。」
「お前もさー・・」
「お前じゃなくて晴!」
「・・晴、俺に付きまとってて馬鹿にされない?」
「何で?」
「何でって。」
「それねー、馬鹿にするほうが馬鹿なんだよ。君塚君とお友達になりたいことはそんなにいけないこと?」
またも強気で言われ、言う言葉を失う。
代わりにため息。
「はぁ。」
「ねぇ、君塚くんの下の名前って何?」
「お前・・・」
「晴!!」
「・・晴、俺とクラスメイト2年目だよな?」
「う・・・だけど、話したのはほとんどないでしょぅ?ねぇね、下の名前は?」
「・・・空斗」
「くーと??かっこいーねぇ。あはは、じゃ今度から空斗って呼ぼーっと☆」
「はぁ??やめろよ。恥ずかしい。」
「何で?空斗だって私のこと晴って呼ぶじゃない。」
「無理に晴が呼ばせてんじゃねーか!」
「何でー?お友達の第一歩はやっぱり名前でしょ?」
キラキラした目で俺を見ながら言う姿に、またも言う言葉が無くなる。
「ねぇ。ダメ?」
「・・・分かったよ。」
「やった!じゃあ私のことは今までどおり晴でいいよぉ。」
もう何も言えなくてやはりため息。
「はぁ。」
俺の平凡な毎日はいつ戻ってくるんだぁ?
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