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始業式が終わり体育館に居た生徒が教室に移動し始めた。
「平井ちゃん、なんだかんだでまた同じクラスだね~。」
『そうだね。後美緒リンも一緒なんだよね。』
「そうだよ~。理恵ちゃんヒドいなぁ。」
「ごめ~ん。」
3人は笑いながら話して廊下を歩いていた。
「そういえば細田も同じクラスなんだよね~。」
美緒はフッと学校の問題児の1人の話を始めた。
「ね~。健太みたいに授業ウルサくないと良いけど…。」
理恵も口を揃える。
『確かに健太はうるさかった~。』
「でも今日見てなくない?」
「始まる前にイトセンにタバコ吸ってんの見つかったみたいだよ。」
「あははは。相変わらず馬鹿だね~。」
裕子はこれから1年大変かもしれないと感じながら呟いた。
『まっ、馬鹿は言い過ぎだけど…ちょっと癖があるからね~。』
3人は教室に入る。まだ啓一の姿は無く教室の中もほんわかした雰囲気であった。
(私の席は…あっ…細田君が斜め後ろか…うるさかったら嫌だなぁ。)
裕子の表情に気付いた美緒と理恵は同情するように肩を叩いた。
すると廊下から歩き方の悪い癖のある足音と話し声が聞こえる。
『んじゃ、後でなぁ。』
啓一は健太手を振り教室に入っていく。そして黒板を見て自分の席を確認して席に着く。
啓一の出現に教室内は一瞬に凍りついた。
啓一は教室を見渡して一言発した。
『気にしないでお喋り続けて…ど~ぞ、ど~ぞ。』
啓一の言葉に再び活気づく教室で啓一に話しかける男が居た。
1年の時啓一を虐めるのに荷担していた桜井だった。
「啓一、あの…」
『なんじゃらほい?』
「始業式何してたの?」
『生活指導室で待機だよ。』
啓一は笑いながら桜井に言った。
啓一はもう昔には拘っては居なかった。
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