335人が本棚に入れています
本棚に追加
とある中学校の風景。教室で、2人の男子生徒が会話をしていた。
「おい!啓一!焼きそばパン買って来いよ。」
『…わかった。お金は?』
啓一がそう言った瞬間、拳が飛んできた。
「オメーが出すんだよ。」
『僕お金無いよ。藤井君お金頂戴よ。』
啓一の言葉に藤井は切れて手元にあったコンパスを投げた。針が腕に刺さり啓一の腕から血がしたたり落ちる。
それを見たクラスメートが口々に言った。
「汚ねえな。」
「病気が移るだろうがよ!」
「おい、桜井。コイツの血を拭くのに雑巾持って来いよ。…昨日牛乳拭いたのあるだろう?」
藤井が笑っていると教室のドアが勢い良く開く。
「テメー!俺の従兄弟また虐めやがって!ボコボコにすんぞコラ!!」
『け、健太…。』
健太の登場に藤井と桜井は顔から血の気が引いた。
健太は啓一と同じ中学校で、学年の番を張る男だった。
『良いよ。別に…。』
「オメー血が出てんじゃねえかよ。」
『大した事ないから。』
健太は啓一の近くに落ちているコンパスに目をやった。
それを手にすると健太は勢いよく藤井に投げつける。
「テメーいい加減にしねえと学校来れなくなるくらいボコボコにすんぞ!」
『健太…。』
「とりあえず保健室に行くぞ。」
健太はそう言って啓一の腕を引っ張って教室を出た。
最初のコメントを投稿しよう!