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啓一は1つ学年が上がり2年になった。健太とはやはりクラスは離されたが1年の頃のように教室で苛められる生活では無くなっていた。
『健太~。』
「おう。昼食ったら体育館裏な~。」
『うぃ~!』
啓一は2年になって昔から憧れていたハリウッド俳優のように金髪のリーゼントにしていた。
制服もブレザーを短くして金ボタンに付け替えてボンタンを穿いていた。
故に毎日教師に追われる日々を送っていたが、むしろ充実した日々を過ごしているように感じていた。
啓一は教室に戻ろうと歩いていると藤井が前を歩いてきた。そして啓一の後方に居たイジメの対象を見つけ走り出した。
(なんだか…藤井は人間小さいな。)
そう思いながら歩いていたが藤井に苛められる相手が可哀想に思い後ろを向く。
(ん?…またあの女だ…。)
啓一は裕子に気付き手を上げて挨拶する。
『お前…なんでこんなアホに苛められてるの?』
「啓一!テメー調子に乗って…」
藤井がそう言って啓一の襟首を掴みかかった瞬間、啓一は藤井の鼻面めがけて頭突きをした。
啓一の攻撃で藤井が手を離した隙に近くの階段から藤井を突き飛ばした。
『1ヶ月前と一緒にしないで~。』
啓一は笑いながら藤井にそう言って振り返った。
そして藤井に落とされたであろう文房具を広い上げて裕子に渡した。
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