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しばらく生活指導室でふてくされていると伊藤と担任の春田が入ってきた。
「本当に平井を助けたみたいだな。」
「だけど藤井に対してはやりすぎよ。」
2人の教師に詰め寄られて啓一は大きく溜め息をついた。
『もう解放して下さいよ。俺は悪いことはしてないんだから…。』
「藤井を怪我させたでしょ?」
啓一は裕子を助けたばかりに生活指導室に押し込まれた事に大きく息を吐いた。
『ったく…骨折り損のくたびれ儲けだよ。あの女は疫病神だよ。』
そう吐き捨てて啓一は生活指導室を出て行った。
(あぁ…ろくでもない事に首を突っ込むからこんな事になるんだ。…もう帰ろう。)
啓一はそう思い付くと健太の教室に向かった。
健太のクラスに行くと何故か前の席に裕子が居た。
『健太…コイツと同じクラスなんだ。…まぁいいや。俺もう疲れたから帰るわ。』
「えっ!?じゃあ俺も帰るよ。」
健太はカバンを校舎の外に投げ込んで手ぶらで校舎を出た。啓一も自分のクラスに戻りカバン片手に校舎を後にした。
2人が意気揚々と門を出て歩いてく姿を藤井達は廊下から見ていた。
「アイツら居ると学校生活楽しめないんだよな。不良なんだから学校来るんじゃねえよ。」
藤井は見えなくなった2人に吐き捨てる様に発して別のイジメの対象を探し始めていた。
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