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「おやおやルナちゃん、疲れてるみたいだね。」
「あ、ジャトおばさん。」
入って来た女性の名はジャト。
ルナがいるこの家は実は借家で、ジャトはその大家さんである。
「今日はもう終わりなのかい?」
「うん、表にもちゃんと看板を立てておいたよ。」
「センス悪いけどね。」
最後にフロウスが小さく呟くと、ルナは物凄い力でフロウスを掴んでテーブルに押し付けた。
「痛い痛い!」
「あんたは黙ってなさい。」
「アハハ、フロウスちゃんは大変な飼い主に出会ったわね。だけどあの看板はルナちゃんらしいと思うけどね。」
一同が語る看板に書かれていたのは『今日は疲れたから勘弁』という文字だった。
まさにそれはルナの性格を表したような内容で、実のところジャトはそれを気に入っていた。
「ま、疲れたら働かなくてもいいのよ。」
「さすがジャトおばさん!わかってらっしゃる!で、そういえば何か用なの?」
ルナがそう聞くとジャトはハッとしたような表情で手を叩いた。
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