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「マスター、何の本?」
フロウスにそう聞かれたルナは貰った本の表紙を見せた。
「『ギア大全』に『様々なギアの仕組み』。ギア関係の本よ。」
「何でそんなものを?」
「……お父さんとスレイを助けるヒントになればいいと思ったからよ。」
ルナはそう呟くと本を閉じた。
「クリムゾンは神器とはいってもギアに変わりはない。もしかしたら異界への扉を開くためのギアが作れるんじゃないかなーって。」
「そっか……忘れてなかったんだね。」
「あれから三年……何の手掛かりも無かった。だったら自分自身で希望を作るしかないわ。」
過去を思い出すように話すと、ルナは再び本を開いた。
だがその表情は難しい顔をしており、ルナがなかなか内容を理解できていないのをフロウスは感じ取っていた。
「わかってないでしょ?」
「難しい……やっぱりあたしには敷居が高すぎるわ。」
「……諦めるの早いね。」
「明日からにするわ。とりあえず今日は寝るっ!」
ルナは本をテーブルに置くと、ベッドに潜り込んで就寝した。
だが彼女は気付いていなかった。
再び自分の人生を変える事件が近くまで迫っていることに――
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