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やっと見つけた、龍眼の持ち主。
次の満月の夜、アスタル平原にて待つ。
来なければ街の人間は全て殺す。
必ず来い。
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「…………何これ。」
「マスターのことを知ってる……っていうことになるね。」
「フロウス、次の満月は?」
ルナがそう聞くと、フロウスは難しい顔をして口を開いた。
「……明日。」
「ったく……本当は行きたくないけど、街の人に迷惑かけられないからね……」
ルナは大きなため息をついて家の中に入ると、近くに置いてあった椅子に座った。
「店じまい……か。」
「皆には挨拶していくの?」
「……しないわ。どうせ今から出発しないと間に合わないしね。」
そう呟くとルナは自室に戻り、押し入れに入れてあった鎖で縛られた長細いケースを取り出し、その鎖をゆっくりと解いた。
ケースを開けた中には白く輝く鞘に収められた刀が入っており、ルナはその刀を手に取ると小さくため息をついた。
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