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「ここが最果ての墓地……か。なるほど、死霊のたまり場に相応しい場所だな。」
レインの作り出したゲートによって現世と冥界の狭間に降り立ったスレイは、辺りに浮遊する死霊と思われる存在を眺めていた。
「……新鮮味は無いな。ある意味では異界と遜色無いが……っ!」
何気なく辺りを見渡していたスレイだったが、何の前触れもなく突如右腕に激痛が走ったのに気付いて腕を強く押さえた。
「(まったく……眠っていたかと思えば暴れだしたり……使い勝手の悪い奴だ。ルナには劣るが。)」
使い勝手の悪さでルナを引き合いに出したスレイがその場を動かずに痛みを押さえ込んでいたその瞬間、その体に何かがのしかかってきてスレイは倒れてしまった。
「(なっ……一体何だ……!)」
「あいたたた……頭打った……」
「……この声は……」
スレイが背中にのしかかっているものを除けて振り返ると、そこには両手で頭を押さえてうずくまっているルナがいた。
「ルナ……か?」
「……ん?あ?え?スレイ!?」
自分の目の前にスレイがいることにルナが驚いていると、スレイは大きなため息をついてゆっくりと立ち上がり、ルナを見下すようにしながら口を開いた。
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