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「……五体満足のようだな。つまらん。」
「会って早々にそれかい!少しは心配しなさいよ!こっちは大変だったんだから!」
ルナは立ち上がるなり早口でまくし立てたが、スレイは何の感情も表さずにルナの頬を掴んで説教を始めた。
「それはこっちの台詞だ。お前が消えたこの数日間、俺達がどれだけ苦労したと思っている?次に生意気な事を言ったらその口を二重に縫うぞ。」
「二重はきつい……って数日間?せいぜい半日でしょ?」
頬を掴んでいるスレイの手を払いのけてルナがそう質問すると、スレイはやはりといった表情をしてため息をついた。
「ルナ……時間操作出来るというのは本当の話か?」
「時間操作……へっ!?何であんたがそのこと知ってんのよ!」
「(本当なうえに自覚あり、か。)」
驚くルナに対し、スレイは落ち着いた様子で言葉を続けた。
「何故黙っていた?」
「あ、いや……内緒の方がいいかなーって。」
「……お前はどこまで救いようの無い馬鹿なんだ……」
スレイは何か言い返す気力も失せたのか、珍しく肩を落としてうなだれたまま顔を上げようともしなかった。
するとそんなスレイを見て少しは申し訳ないと思ったのか、ルナは少し慌てながら言葉を続けた。
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