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「(そういうことかー。だからあたしのこと知ってたのか。)」
ルナは大きくため息をついたが気持ちを切り替えるために自分の頬を何度も叩いた。
「よしっ、とりあえず気持ち切り替え完了!さっさと脱出――」
「そこの馬鹿、ちょっと待て。」
気合いを入れて脱出をするために動こうとしたルナだったが、スレイに突然頭を一発叩かれてやる気を削がれた。
「……何すんのよ。」
「お前は何故俺がこんな場所にいるのか疑問を抱かないのか?」
「別に。あたし帰りたい。」
ルナはあくまでも自分の意見を押し通そうとしたが、スレイはそれを無視して話を続けた。
「アリスとかいう神からの情報によると、ここの何処かに天獣がいるらしい。それを見つけるぞ。」
「アリス……あいつか。っていうか天獣!?マジで!?」
何度も態度が入れ代わるように振る舞うルナの言動にスレイは少し苛立ちを覚えていたが、真剣な様子で言葉を続けた。
「……お前は天獣を集めなければいけないのだろう?」
「う、うん……」
「ならばやるべき事は一つ。行くぞ。」
スレイはルナの手を引くと、目的である天獣を捜すために歩きだした。
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