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「っていうかさ、天獣何処にいるんだろ。手掛かりとかない?」
ルナはスレイに余計な一言を浴びせられたくないがために敢えて少し離れて歩きながら質問をした。
「死葬鳥シディス。それだけしか手掛かりはない。」
「(つまり鳥ね……ベルティオンが狼、エヴァが龍、カヅチが猫……ってカヅチだけ迫力が……)」
心の中でカヅチを哀れんでいたルナは、がっくりとした様子で肩を落としてため息をついた。
その時辺り一体に耳をつんざくような大きな咆哮が響き渡り、そのあまりの大きさにルナは驚いて耳を塞いだ。
「ちょ、何!?天獣以外に何かやばいのがいるんじゃない!?」
ルナが辺りを見回しながら両手を耳から離してそう言うと、咆哮にも全く動じていないスレイは首を傾げた。
「知らないな。何であろうと俺の妨げになるものは斬る。」
「怖っ!」
「とりあえずは咆哮がした方に行くぞ。咆哮の主が天獣の可能性もあるからな。」
「(あ、確かに。)」
ルナはその答えに納得し、スレイと共に咆哮が聞こえた方角へと走りだした。
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