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「幻術て……いつ気付いたの?」
ルナは上半身を起こしながらも疲れがすぐには取れず、両手を地面に置いてそう質問をした。
するとスレイは辺りを見回したまま口を開いた。
「途中で疑惑を抱いたが……走っていた最中に確信した。微量だが法力を感じる。」
「あたしは何にも――」
「俺とお前を一緒にするな。」
「(……へい……)」
スレイの容赦ない言葉にはさすがのルナも何も言い返すことが出来ず、ただ話を聞いていた。
するとスレイは辺りを見回すのをやめ、面倒なことを表すようなため息をついた。
「何かがこの付近を行き来している。それを引きずりだすぞ。」
「……どうやって?」
「簡単なことだ。外に影響を与えるほどの力でこの幻術の空間を破壊する。」
それを聞いたルナはもはや冷めた目でスレイを見つめることしか出来ず、関わりたくないような表情をした。
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