2052人が本棚に入れています
本棚に追加
「(何か嫌な予感が……)」
ルナがただ黙って見つめているとスレイは剣を地面に突き刺し、その右腕から漆黒のオーラを放出し始めた。
「さて、どの辺りを突き破るべきか……何処でもいいか。結局一緒だからな。」
「突き破るって……なんか大袈裟な言い方ねー。」
呆れたルナが軽くため息をついたその瞬間、スレイが突き出した右腕が空間を突き破り、その周囲の空間には亀裂が入った。
「……本当に突き破ってるし……」
「これは朝飯前……ん?」
「どしたの?」
何かに気付いたスレイにルナが問い掛けると、スレイは黙ったまま手招きをしてルナを呼び、右腕で突き破った空間の裂け目から覗くように目配せをした。
「何よ……って何じゃこりゃ!?」
裂け目の先に見えた光景。
それは自分達が今いる場所とは違う完全に白に染まった不思議な空間だった。
最初のコメントを投稿しよう!