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「ななな……何ですかねこれ!?」
「俺に聞くな。」
スレイはこの状況にも全く動じていないのか、普通のトーンで答えると裂け目を更に広げて中に入り込み、右腕のオーラを抑えて白に染まった空間を見回した。
「四方八方全て白、か。」
「不思議な空間ね……地面のラインが見えないから何か不思議な感覚だけど。」
「俺の嫌いな光景だな。色が。」
「(そっちかい。)」
スレイに続いて中に入ったルナは辺りを見回して何かいないかを確認したが、白しか見えないのを認識してため息をついた。
「これ現実?幻覚?それとも夢?」
「……俺にもわからないな。先程までいたのが現実か……または偽りの世界なのか。」
「それは考え方次第、とだけ言っておこう。」
突如空間内に声が響き渡ったかと思うと、二人の前方より少し離れた位置の空間が大きく歪み、銀色の羽に身を包んだ巨大な鳥が姿を現した。
すると巨鳥はルナの顔を見て軽く目を見開くと、ゆっくりと降下して地面に降り立った。
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