闇を映す者

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「貴殿がルナか?」 「へ?そうだけど……」 「……なるほど。確かに良い面構えをしている。」 巨鳥は感心するように呟くと、軽く頭を下げて言葉を続けた。 「私は死葬鳥シディス。貴殿がここに来るのを待っていた。」 「……あたしのこと知ってるの?」 「我々天獣族の長……幻魔狼ベルティオン様から話は聞いていた。貴殿が異界に行くために天獣を集めているということを。」 シディスと名乗った巨鳥がそう語ると、ルナは少し驚いたような表情を見せた。 「ベルティオンって……冷徹っぽい狼みたいなあいつ?」 「うむ。ベルティオン様は貴殿がいずれここに来た時、手を貸してやってほしいとおっしゃっていたのだ。」 「ふーん……え?」 ルナが間抜けな声を出すと、シディスは一笑して言葉を続けた。 「天獣を集める貴殿の目的がいかなるものかは知らぬ。が、ベルティオン様の話となれば別……貴殿の手助けをしよう。」 「マジっすか!?そんな簡単に!?」 「(テンション高いな……)」 ルナのやたらと大きい声を聞いて疲れたスレイは耳を塞いでいたがこちらを見ているシディスに気付いて口を開いた。
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