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「……またこれを使う時が来ちゃったか。」
「龍眼のことまで知っているとなると、相手もかなりの実力者かもしれないしね。」
フロウスの言葉にルナは小さく頷くと、近くの鏡を通して自分の目を見つめた。
「(私のこと……そして龍眼のことを知っている。だとすると結構危険な存在かもしれない……まずは生き抜くことが先決。ある程度の覚悟が必要ね……)」
「……マスター、どうかした?」
「なんでもないわ。早いうちに出発するわよ。」
ルナは刀を腰に提げてフロウスを肩に乗せると、二階の窓から地面に飛び降り、辺りを見回した。
「……誰も起きてないわね。今のうちに――」
「ルナちゃん?どうしたんだい?」
辺りを確認してルナが歩き出そうとした時、街の出入口いくつもの野菜を抱えたジャトが現れた。
「こんな夜中にどうしたんだい?」
「あ……えっとその……」
「それは……刀かい?」
ジャトがルナの所持していた刀を見て首を傾げると、ルナは深く頭を下げて静かに口を開いた。
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