‡Ⅰ・5つの依頼‡

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しばらくして、秀行たちが船に乗り込んだ。 横尾たちが秀行たちの視線を無視しながらいるものの、長谷川は悠然と座っている。それを達哉が見つけた。 達哉は長谷川を他人と見せながら長谷川の隣に堂々と座った。度胸はいるが、仕方のない理由がある。 座ってすぐ、達哉は小声で長谷川に話し掛けた。 「長谷川、オレだ。」 「なんだね?長尾君。」 「お前の今回のターゲットは誰だか教えてくれ。」 「私は殺しでも捜査でも、依頼人からの依頼通りにやってけばそれでいい。どんな大きな罪を担っちまおーが、私はできることさえできれば罪など惜しまない。」 「はっきり、忠告するぜ。」 「ん?」 「下手な殺しはすんなよ。」 「あんたこそ、余計なことに合気道使っちゃダメだぞ。」   やがて、船は港を離れた。
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