第3章~メイド様の独り言

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「あ!ご主人様っ!おかえりなさいませっ!そ、そ、掃除は無事終わらせました!」 笑顔でうろたえながら言う琴音。朝、家を出た時から、何一つ配置は変わってない。 「嘘だろう?それ…。」 「はっ…はい!掃除は、してないですっ!で、でも洗濯はしました!ホラ…ご主人様が今、手に持ってる…。…!?」 琴音の顔色が変わった。 俺は手に取った洗濯物を見た。 こ…これッ!俺のワイシャツ…?! 何でピンクになってんだよ? 「…何をした?琴音…。」 「あ…多分…。私の服の色が…。」 なるほど…色柄物と一緒に洗ったのか? 俺は、他の洗濯物も漁ってみた。 「?!」 「ッ!!」 俺の下着も靴下も、まだら模様に白くなっていた。 「琴音…。」 「ご…申し訳ありません…。漂白剤を使ったら、ご主人様のシャツが白くなるかなぁと…。」 白くなるべき物はピンクに…。白くなるべきではない物が白く…。 どうやったら出来るんだ? 「で、キッチンで何を作るつもりだ?」 恐る恐る琴音に尋ねた。 「はいっ!鶏のから揚げを作ろうかと…。ただ…から揚げと言うからには、そのまま揚げてしまうべきかと、考えてみたのですが…。どうやらヤツの回りには、何やら付着してるようで…。あの物質は何なのか…。琴音には、全く解らなくてですね…。」 頭が痛くなって来た…。 「…俺が作るから。」 「え?でも…仕事しないと、メイド服が…。」 メイド服? こいつ、そこまでしてメイド服が欲しいのか? 「用意しとくから…。お前は、風呂にでも入れ…。」 これ以上の惨状を避ける為、俺は言った。 「はい♪」 嬉しそうに笑う琴音。 何故か、また甘やかした気がした。
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