52人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕の口からはあまり詳しくは話せないんだ、悪いね。」
「…。」
「はっきり言えるのは…。君は、僕のライバルで、恋敵って事だよ。」
恋敵?
ただでさえ、こんがらがっている頭が混乱する。
俺は片思いなのか?
昨日の出来事ゆえに、両思いなのか?
こんな事を考えながら、一日を過ごすのか?
「ごめん…。今の俺は、上手く理解出来ない。」
環が琴音を好きならば、昨日の出来事を話しておくのが、フェアだろう。
けれど…こんな曖昧な状態を伝えていいのか?
狡いかも知れないけど、横槍を入れられて、全てがブチ壊しになるかも知れない。
「じゃあ、きちんと教えてよ?こっちゃんと、何があったの?」
「…。」
隠すのか?
環だって本気だろう。
俺は…。
「…じゃあ、僕の予測…。君は、こっちゃんに気持ちを伝えたね?…恐らく、こっちゃんも君に気持ちを伝えたんでしょ?」
「どうして?!」
何で知ってるんだ?
俺の気持ちじゃなく…。
琴音の気持ちを…。
「図星なんだ…。」
環は溜め息混じりに言った。
「…あぁ。」
「どうしてって…僕は、こっちゃんに確認済みだからだよ?…ずっと…知ってた…。」
重々しく言う環。
最初のコメントを投稿しよう!