第31章~メイド様とワンモアチャンス

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「もう一度、きちんと話す時間を下さい。」 夕食後、俺は琴音に土下座した。 琴音に頭を下げるのは、初めてだ。 プライドとか、関係ない。 どうしようもない俺の頭の中は、琴音しか解決出来ない。 「…もう一度って?」 澄ました顔をして、琴音は言った。 俺の土下座に、何一つ触れないのが、琴音らしい。 「俺は琴音が…」 「あ゙ぁぁぁぁぁっ!!!」 俺の声を遮るように、琴音が叫んだ。 「ちゃんと聞けよ…。」 「…申し訳ありません。」 「だから、俺は…」 「ご!ご主人様ぁぁぁぁッ!!!」 再度遮るように、叫ぶ琴音。 聞きたくないって事か? 話したくもない? ふざけて話を逸らそうとしている? 「…あのなぁっ!」 煮え切らないままの気持ちは嫌だ! 俺は、話したくて仕方ない思いで、声を荒げた。 「…。」 琴音は、困った表情を浮かべた。 「え?」 迷惑? いや、それにしては、泣きそうな顔…。 もう触れたくない話題だからか? 「…解りましたから。…外に…出ませんか?」 琴音は、小声で囁いた。 どういう意味だか、解らない。 ここでも話せるのに? 何かマズイ事でもあるのか? 「…あぁ。」 解らないまま、俺は了承した。
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