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そうゆう問題か?几帳面以前に、これは常識なんじゃないかと…。
「タオル地の物は、洗濯ネットに入れるって…解ってるよな?」
「洗濯ネット?…何ですか、それ?…あ、琴音はインターネットカフェは、まだ行った事はありません。」
「…。」
極力…話が逸れている。
「ご主人様?」
説明するのに、何故こんなに厄介なんだろう…。
「“漂白剤”には、塩素系と酸素系があるのは、知ってるか?」
「あ!塩素系は、何でも綺麗に落ちるので、琴りんは塩素系愛用します!」
愛用?…いや、そうゆう事じゃないだろう?
「…。琴音…お前を雇い続けるかどうか…。改めて考え直してィィか?」
メイドとして雇われてるはずなのに…。
琴音の無知ぶりに…多少呆れて来た。
本心からの言葉じゃないにしても…どこかで感じたから…口走っていた。
「ッ!」
琴音の顔色が変わった。
「?」
琴音にこんな表情をさせたのは、初めてだ。
「わ、わ、私…。あの…。出て行きます!」
「へ?」
突然の決断に、俺は呆気に取られた。
「お世話になりました…。何も出来ずに申し訳ありませんでしたッ!」
ショックを隠す事もなく…お礼だけはきちんとして…琴音は俺の家から出て行った。
「…。」
静まる室内に…。
ただ何となく広く感じる室内に…。
本来、俺が望んでいた…俺だけのテリトリーに…。
何故か戸惑いながら…
どこか淋しくて…
持て余す時間が、こんなにも…
長く感じるのだと…実感させられた。
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