第28章~メイド様と星見の夜

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「ご主人様が大好きです。」 瞳から一粒涙を零して、琴音は言った。 やっぱり綺麗だ。 泣かせたくなかったのに…。 何か言えていたら、止められたかも知れないのに…。 「…俺…」 「大好きで、愛していて…。すごく愛しくて…。けれど私…それでも…ご主人様を、ご主人様の言葉を、信じたらいいのか、判らなくなる時があるんです…。」 「でもね?琴音。俺は、それでも…」 「私は!ご主人様の言葉を信じてはいけないんですッ!」 叫ぶように言う琴音。 俺は遮られてばかりだ。 「…。」 どうしたらいいか、解らないよ、琴音。 「…ッ!」 ただこうやって、琴音を抱きしめる事が、俺なりの気持ちなんだ。 だって…琴音は、喋らせてくれないだろ? 「…解った。」 「大ッ嫌い…!」 「解った…。」 「馬鹿…。」 「あぁ、馬鹿でかまわない。」 「愛してない…。」 「解ったから…。」 「狡い…。」 「ハイハイ…。」 「人で無し…。」 「うん…。」 「変態…。」 「…そうだな。」 「大嫌い…。」 「さっき聞いた…。」 「馬鹿…。」 「それも…。」 「アホ…。」 「…愛してる。」
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