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今朝は、晴れやかな目覚めだった。
誰かを好きだと思う事。
誰かに好かれる事。
想いを伝えて、相手の想いを知るだけで、こんなにすっきりするんだな。
目の前の風景が、全て新鮮に見える。
どんよりとした曇り空も…。
いつもと同じコーヒーも…。
真新しく見える。
「…おはよう…ございます。」
琴音は、眠そうに目を擦りながら起きて来た。
「おはよう、琴音。」
朝からキスしたい衝動。
抱きしめたい気持ちを、グッと抑えた。
わざと平然としているのも、バレバレかも知れない。
「一段と…早起きですね…。」
琴音は、あくびをしながら、自分のコーヒーを煎れた。
「…あ、あのさ、琴音?」
「はい?」
「敬語…やめないか?」
「何故ですか?」
何故?
「いや…だって…。」
夢オチ?
有り得る展開に、さすがに焦り出した。
「?」
「…琴音、昨日の夜の事って…。」
「ん?昨日の夜?」
覚えてないとか、そうゆうのも勘弁して欲しい。
「俺に…。いや、俺が琴音をどう思ってるか…伝えたよな?」
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