第29章~メイド様とモーニングコーヒー

2/3
前へ
/168ページ
次へ
今朝は、晴れやかな目覚めだった。 誰かを好きだと思う事。 誰かに好かれる事。 想いを伝えて、相手の想いを知るだけで、こんなにすっきりするんだな。 目の前の風景が、全て新鮮に見える。 どんよりとした曇り空も…。 いつもと同じコーヒーも…。 真新しく見える。 「…おはよう…ございます。」 琴音は、眠そうに目を擦りながら起きて来た。 「おはよう、琴音。」 朝からキスしたい衝動。 抱きしめたい気持ちを、グッと抑えた。 わざと平然としているのも、バレバレかも知れない。 「一段と…早起きですね…。」 琴音は、あくびをしながら、自分のコーヒーを煎れた。 「…あ、あのさ、琴音?」 「はい?」 「敬語…やめないか?」 「何故ですか?」 何故? 「いや…だって…。」 夢オチ? 有り得る展開に、さすがに焦り出した。 「?」 「…琴音、昨日の夜の事って…。」 「ん?昨日の夜?」 覚えてないとか、そうゆうのも勘弁して欲しい。 「俺に…。いや、俺が琴音をどう思ってるか…伝えたよな?」
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加