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私は貴方に酷いことをしました。
例えば、
貴方のその瞳に映るあの子が嫌で‥‥
その綺麗な瞳に映したくなくて、私は貴方の瞳を片方だけ潰しました。
それなのに貴方は
「大丈夫だよ」
と優しく笑って私の頭を撫でてくれました。
その瞳はもう見えないのに。
唯、叱って欲しかっただけだったのかもしれない。
貴方は私に優しいから。
何でも許してくれたから。
だけど、
それがまた悔しくて、あの子に負けた気がして、私は貴方の皮膚に爪を立てました。
血は出てこなかったけれど、痕がくっきりと残りました。
その痕は直ぐに消えてしまってとても残念だったけれど、暫くすると赤い痕が、つーと出てきて嬉しくなりました。
そんな私の姿を見て、
笑う貴方が好きでした。
あの子には決してそんな顔を見せなかったから。
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