#001 私は貴方に酷いことをしました。

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私は貴方に酷いことをしました。 例えば、 貴方のその瞳に映るあの子が嫌で‥‥ その綺麗な瞳に映したくなくて、私は貴方の瞳を片方だけ潰しました。 それなのに貴方は 「大丈夫だよ」 と優しく笑って私の頭を撫でてくれました。 その瞳はもう見えないのに。 唯、叱って欲しかっただけだったのかもしれない。 貴方は私に優しいから。 何でも許してくれたから。 だけど、 それがまた悔しくて、あの子に負けた気がして、私は貴方の皮膚に爪を立てました。 血は出てこなかったけれど、痕がくっきりと残りました。 その痕は直ぐに消えてしまってとても残念だったけれど、暫くすると赤い痕が、つーと出てきて嬉しくなりました。 そんな私の姿を見て、 笑う貴方が好きでした。 あの子には決してそんな顔を見せなかったから。
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