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既に真っ暗なパウントの町中をランプを持った二人組が歩いていく。
「ブラックマスクの野郎め…。面倒な仕事増やしやがって」
「そう文句言うなよ。手当ては出るんだし」
どうやら町を見回る警備兵士のようだ。
ブラックマスクが出没した日は必ず町を見回るようになっているらしい。
「でも、あいつのせいで確実に俺は睡眠不足だ!!」
「じゃあ、ブラックマスクを捕まえるしかないな?」
「…そりゃ無理だ」
談笑しながら二人の兵士はゆっくりと進む。
──と、突然路地裏から出てきた青年を発見する。
──チェイスだ。
「…ん…!?おい、お前!!そこで何をしている!!」
チェイスは慌てふためいたが、動作はゆっくりだった。
「ぁと…そのー…ぇーっとー…」
“しどろもどろ”とは、まさにこのことだ。
「貴様…もっとハッキリ喋れんのか!!」
「あわわぁあ、ごめぇんなさぁいぃ…」
チェイスは怪盗B・Mとして華麗に逃走するも、毎回こうして兵士に捕まっては尋問されていた。
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