運命の歯車

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───屋根の上に座る怪盗。 「日の出だぁ。 …ょうし。じゃあ今日の収穫を売りに行くかあ」 鞄に入っていたパンを頬張り、盗み出した金品を持ちチェイスは屋根伝いに歩き出す。 ──夜明けに輝く銀甲冑。 「…これからが本番だな。 まずは…ゴルドに会う」 背中にランスを背負って、ルークも歩き出す。 ──朝日を感じ目を細める黒狼。 「我の手で反乱軍を落とす…。 …必ず!!」 狼姿のロウガもまた、歩き出す。 ──窓から射す暁の光に立つ男。 「皇帝。」 「その呼び方は止めなさいと、いつも言っているでしょう」 「ハッ。申し訳ありません」 眼鏡をかけ、かなりの長髪。 そして何より、美しい姿。 誰もが目を奪われそうだ。 名は『デュオニス・ハオス』。 反乱軍、皇帝。 「今日は予定通り、パウントの隣… サザールを取ります。シルバーナイツ全隊を向かわせてください」 「その件でルーク隊長が脱隊を…」 「…!。そうですか…。では一番隊は全滅ですね」 「…いかがいたしますか」 「予定は変えません」 自軍のトップ戦力がいなくなっても、デュオニスは冷静だった。 「サザールが終了次第、ルーク・ソルジェントを抹殺します」
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