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───サザール。
そこはパウント、そしてティシカ宮殿への道に繋がる玄関町。
宮殿では、部下が国王への定時報告をしていた。
「国王様。サザール近辺で反乱軍に動きが有るようです。」
「…ふむ。…サザールを落とせばパウントへの侵攻も容易になる。
必ず攻めてくるだろう」
国王は、いつもこうなのだろうか。
眉間に皺を寄せて、顔をむすりと歪めている。
「既にサザール周辺の防衛網を強化。即戦に対応出来るように配備をしています。…しかし、またシルバーナイツが現れれは状況は苦しくなります」
「………やむを得んな。“あれ”を出すぞ」
「…ハッ、しかし“あれ”は…」
部下は動揺したが、国王は強い口調で返した。
「国を守る為だ!やむを得ん!」
「……ハッ」
渋々、了解した兵士は王室を出て準備に向かう。
───サザール。
そこは玄関町。
王を目指す元シルバーナイツ。
復讐鬼として反乱軍を狙う獣人。
盗品を売りに向かう謎多き泥棒。
激突する国王と皇帝。
運命を背負った者達が“サザール”に集結する。
歯車は噛み合い
戦いの時代は
軋みながら
廻り始めた。
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