隊長としての誇り

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不意に、コーラルは疑問を口にする。 「何故、裏切っタ…」 「……。……笑うなよ?」 ルークは少し顔を赤らめて答える。 ──ルークの真の目的を。 「この国をよ…戦いが無ぇ平和な世界にしてぇんだ」 「………ぶッ!」 「あ!!笑うなって言ったのに!」 目を丸くしてコーラルは思わず吹き出した。 「まるで子供だナ!はっはっハ…!…!!ぁ、ぁぃたたたタ…!!」 笑いすぎて、コーラルの傷が広がった。 「…やっぱり止め刺すか…」 「…くくッ!いやいや…すまんすまン…!!あまりに予想外でナ…」 「…ふん」 まるで先程戦っていたのが嘘の様に、二人の戦士は笑いながら話していた。 「……さてと。…お前が信頼された隊長さんなら、応援がそろそろ来る頃だろ。…俺は行くぜ」 ルークはコーラルに背を向けて歩き始めた。 「待テ」 「ん?」 「…出来るといいナ。 …平和な世界」 「…ああ」 二人は互いに微笑みを交わす。 隊長として、戦友として、そこには奇妙な友情が生まれていた。 ───と、少し進んだ所でルークが足を止め振り返る。 「なぁ、サザールってどっちだ?」
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