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コーラルに呆れられながら道を教わり、ルークは漸くサザールに辿り着いた。
商店街が並び活気ある街
『サザール』。
街人の噂話で、近くで反乱軍の隊員が救護隊に救出されたらしい──
なんてことを聞いて、 ルークは少し安心していた。
「んん…腹減ったな」
どこまでも能天気な男だ。
とりあえずルークは食料を買いに向かう。
サザールは海に近い為、海産物が豊富に扱われている。
魚はもちろん、貝、海老、海月に海蛇まで取り揃えてある。
色々物色しながら、沢山の店が並ぶ市場をルークは進む。
「みんな美味そうだなあ」
──と、ルークはあることに気が付く。
心なしか、ルークが店先に居ると店主は冷や汗をかき、すれ違う人々は、怯えたように道を空けるのだ。
背中に武器を背負っているから、とかそんな理由ではない。
──彼らは、ルークの美しい銀鎧に恐怖を感じていたのだ。
「なんか…嫌われてんなあ…」
サザール周辺では今にも反乱軍が動きを見せようとしていて、“銀”とかに敏感になってしまっていた。
しかも“銀鎧”となってはサザールの住民からすれば、気が気ではないのも無理はない。
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