余命…?

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家のなかは静かだった。 母はうなだれたまま私を見ない。 私は姉の部屋に向かった。 「入るよ。」 返事はなかった。 姉は頭まで布団を被っていた。 「お姉ちゃん、今までごめんね。ごめん…お姉ちゃん…」 私は言いながら涙がでてきた。 姉は慌てて布団から顔を出した。 「希望は悪くないでしょ?」 姉は優しかった。 「私ね、ずっとお姉ちゃんが大嫌いだったの。小さい頃から比べられて、お父さんやお母さんがいつもお姉ちゃんばかり可愛がって…私はいつものけ者で。お姉ちゃんなんかいなければいいのにって…」 「私は希望が羨ましかったのよ…」 姉はまるで聖母マリアのように微笑んだ。
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