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「お腹すいた~」
姉が部屋からでてきた。
既に夕飯の支度は済んでいた。
「食べるか!」
父の一言で皆テーブルについた。
乾杯をし、楽しい夕飯の時、父、母、姉、私…四人で食卓を囲む幸せを噛み締めていた。
笑い声がたえない時間…
当たり前の事がこんなに幸せだったんだ…私はそう思っていた。
食後はトランプをしたり、紅白を観ながら過ごした。
間もなく年が明ける。
「お父さん、お母さん、希望、有り難う。私、本当にこの家の子供でよかった。」
姉の突然の言葉に静まり返るリビング。
「あっ当たり前だ…」
父は涙を隠しながら言った。
しんみりした空気。
いよいよカウントダウンがはじまった。
「年が明けるよ!」
私はわざと明るい声で言った。
カウントをしながら、又皆で年越し出来ますように、私は祈った。
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