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姉が着物を着せて貰ってる間、私は大翔にメールを打っていた。
何となくやり切れなかった。
家族みんな着物なのに、私だけ洋服…確かに似合わないけど…
新年早々いじけた気分をなんとか消したかった。
直ぐにメールの返事が来た。
大翔のメールには画像の添付があった。
初日の出の写真だった。
いつか一緒にみような!
そうメッセージが添えてあった。
私はすっかりいじけた気持ちが飛んだ。
部屋に行き、髪の毛をアップにして少しだけメイクをした。
お気に入りのワンピを着て、自分なりのお洒落をした。
調度姉が着物を着て出て来た。
抗がん剤で抜けた髪の毛はウイッグで補っていた。
「お人形さんみたい。お姉ちゃん綺麗だよ~」
私は素直に姉を綺麗だと思った。
「そうだ、お父さん、写真撮ろうよ!天気もいいし、外で撮ろうよ!私がシャッター押すから。皆着物着てるんだし!」
私は、はしゃいでいた。
「そのつもりだよ。でも、そのまえに希望も着替えなさい!」
父が言った。
「一応これでもお洒落したんだけど…」
落胆する私。
姉はクスクス笑っていた。
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