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「希望の着物もあるよ!」
母が手招きしていた。
「なんで?私のもあるの~?」
大声で叫んだ。
父が言った。
「何だ?そんなに驚く事か?」
「だって~私いつもお下がりだったし…」
「そんな事ないでしょ?」
母は少し怒り口調だった。
確かに枚数は同じだけ揃えてはくれていたかな?
いじけていた私はきっと被害妄想も強かったのだろう。
「ほらっ早くおいで!」
母に呼ばれ、和室にはいると、姉と同じ着物が掛けてあった。
「髪型着物に合うね。」
そう言いながら母が髪飾りを挿してくれた。
着替え終わった私を母が絶賛した。
「すっかり女らしくなって…希望、綺麗よ。」
優しい眼差しを私にむけた。
嬉しいけど恥ずかしくなった。
「希望素敵よ!」
姉が褒める。
「馬子にも衣裳だな…」
父は顔を赤くしながら言った。
私達家族は、皆いい顔で写真におさまった。
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