海へ

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私は進級して高二になった。 部活にも新入部員が入って来た。 姉は相変わらずだった。 ただこの頃から、部屋に自由に入らせて貰えなくなっていた。 きっと身なりを直したりしているのだろう…そう思っていた。 やつれてしまったが、姉は綺麗だと思った。 桜が散り、ゴールデンウイークがやってきた。 その頃になると、姉はいくらか元気になっていた。 寝たきりではなくなり、食事もとれるようになっていた。 このまま元気になるのでは? そんな期待をしてしまう程だった。 「希望、前に行った家族旅行、楽しかったよね…」 姉は突然呟いた。 「あの頃私、お姉ちゃんに意地悪ばかりしていたよね…」 苦笑いしながら言った。 「彼氏がいる事暴露されたよね!」 意地悪な目つきをしながら姉は言った。 「ごめんね…」 謝るしかない。 「冗談だって!でもさ~又行きたいな…海が見たい。」 そう行って外を見た。 「行けるよ!最近元気になってきたし。ねっ!」 姉は小さく頷いた。
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