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母は姉が大翔に好意を持っている事に気付いていた。
譫言で大翔の名前を呼んでいたらしい。
真子の夢は何かと聞いた事があるらしい。
姉は…
「好きな人と海辺を歩きたいな~」
そう言ったらしい。
私にとって大翔は大切な存在だ。
でも…ここまで母が姉だけの為に、頼むには理由があるはずだ。
理由は一つしかなかった。
姉は…夏までもたないだろうと、宣告されたからだった。
私は堪えてもこらえても…涙がとまらなかった。
たった一人の姉が、後数ヶ月でこの世から居なくなる。
現実として受け止める事なんて…
私は大翔に携帯をかけた。
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