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潮風が食欲をそそるのか、姉はとてもよく食べた。
「美味しいね!」
私の握ったお握りを頬張る。
「三角に握れるようになったんだよ。」
私は自慢げに言った。
「当たり前だ!」
父は厳しい!
「でも希望が手伝ってくれて助かったわよ。家事頑張ってくれてるのよね。」
母に誉められ恥ずかしいやら嬉しいやら…
「希望は裁縫得意なんですよね!」
大翔が言った。
一同驚いて私を見た。
目が、『嘘!』と言っているのは伝わって来た。
雑巾もまともに縫えなかった私。
母に頼んでいたボタン付けやスカートの長さの調節を、自分でやるようになってから、楽しい事に気付き、お守りやマスコットをよく作って大翔にあげていたのだ。
「恋の力ね!」
姉に冷やかされ私は笑ってごまかした。
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