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その夜、父と母に姉の手紙を見せた。
父は黙って俯いたまま肩を震わせていた。
母は私を力いっぱい抱きしめた。
そして語り始めた。
「結婚して直ぐに子供が欲しくて、子作りに励んだの…」
私を大人扱いして話す母。
「でもね、二年経っても妊娠しなくて…お母さんかなり神経質になっていたの。
不妊治療は辛かったけど、なによりも周りの言葉に傷付いていたの。
お義母さんからもきつい事を言われてね。
それから半年後、手続きをして養子を貰う事にしたのよ。産まれて直ぐに捨てられた赤ちゃん。それが真子よ。
真の子と書いて真子。
ずっと女の子が産まれたらそう名付けようと決めていたの。」
母は一気に話した。
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