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悲しみは少しずつだが癒えていった。
時折淋しさが込み上げる事もあったが…
私達は生きている。
時間は流れていく。
姉の死から七年…
私は24才になった。
私は花屋で働いていた。
大翔とは…あれからも変わる事なく一緒に歩んでいた。
そう…明日は私達の結婚式だ。
その夜、母が布に包まれた荷物を私に渡した。
「明日、これを使ってあげてくれる?希望のドレスにピッタリだと思うわよ」
そう言われ、布を開いた。
造花だったが、向日葵のブーケだった。
多少バランスが悪かったが、優しい気持ちが伝わって来る。
「これ?」
母に問いかけた。
「入院中に真子が造ってたのよ。あなたにプレゼントするんだってね…」
私が部屋に入ろうとするのを拒んだ時があった事を思い出した。
「お姉ちゃん…お姉ちゃん…」
私はしばらく忘れていた感情に涙がとまらなかった。
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