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暗い表情の姉を乗せた我が家の車。
車内はさらに重い空気が漂っていた。
私は気分がよかった。
それなのに、なんでこんなに虚しいのか…
その時、姉が口を開いた。
「お父さん、お母さん黙っててごめんなさい。恥ずかしくてなかなか言い出せなかったの。今度ちゃんと紹介するから。それに、彼氏って行ってもね、時々一緒に帰ったり、メールするぐらいなの。」
「もういいよ。わかったから!せっかくの旅行だし、なっ!」
優しい口調の父。
…優等生だね…
私は心の中であざ笑った。
「希望、有難うね!何かスッキリした。」
嫌味のない姉の笑顔。
「よかったね!」
渋々作り笑顔で答えた。
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