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海が見えて来た。
気分がウキウキしてきた私は、思わず満面の笑顔になり、
「きれ~キラキラしてる~」
そう言っていた。
両親が顔を見合わせ、優しく微笑みあっている事なんて、知るよしもなかった。そしてそれを姉が、淋しそうに見つめている事も。
我が家の車はホテルに到着した。
「おっきい~高そ~お父さん大丈夫?」
私は父を冷やかした。
「大丈夫に決まってるだろ!」
そんなたわいもない会話で盛り上がる私達。
海が大好きな私は、機嫌がよかったのかもしれない。
「お姉ちゃん、海でボート借りようね!」
つい昔の私に戻って言ってしまった。
「うん!プールにも行こうね!」
あまりにも嬉しそうに姉が答えたのを見て、複雑な気分だった。
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