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…まさか、素敵な男子に一目惚れしたのでなんて言えないよ…
そう思いながらも、
「家は普通のサラリーマンの家庭で、姉が私立なので、私まで私立だと、家計がきついからです。」
とっさに出た言葉だった。
ア然とする先輩達。
次の瞬間、ドアの外から、大笑いする男子の声が聞こえて来た。
私と加奈はドアの方を振り返った。
ドアが開き、顔を真っ赤にして笑いながら入って来たのは、あの一目惚れした彼だった。
私は心臓がバクバクした。
「あ~おもしれ~久々に承けた!」
そう言いながら私を見た。
…うっ!やっぱりかっこいい…
私は必死に平静を装った。
「こらっ!大翔(ひろと)女子の部室に勝手に入るな!」
きつい感じの先輩が怒鳴った。
「いいじゃん。面白そうだし!固い事言うなよ姉貴。」
さらっと受け流した。
大翔って名前何だ…
ぼんやりしていた。
「俺お前の事知ってるよ!」
突然大翔が私に視線を向けた。
「へっ?」
突然の事に間抜けな声を出してしまった。
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