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帰り道、加奈が興奮しながら言った。
「希望いいな~神崎大翔君に覚えられてて~」
「神崎って言うの?ってゆーか、何で苗字知ってるの?」
「地区が違うから仕方ないけど、彼有名なんだよ。あのルックスでしょ~試合中なんか素敵過ぎてめまいするんだから!」
「そっそうなんだ…」
私は全く知らなかった。
「同じクラスになれなかったんだ~C組にいた?」
「居ないけど…私の隣の席の人は休みだったよ。」
「もしかして!」
加奈はかばんを探り、入学者名簿の中に大翔の名前を見つけ悲鳴をあげた。
「あ~っC組じゃん。いいな~希望!」
一人で盛り上がっていた。
「確かに素敵だよね。」
私も素直に同感した。
「きっと彼女いるんだろうな~。」
ため息をつく加奈。
「だろうね。」
私もそう思った。
「いねえけど。」
背後からの突然の声に私達は固まった。
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