セカンドラブ

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「テン、ラブ」 既に10点とられていた。 身長さに加え、大翔のスマッシュに私は全く歯がたたない。 …悔しい… 私はラケットでフトモモを叩いて気合いを入れ直した。 「頑張って希望。」 加奈が思わず私に声をかけた。 大翔のサーブ。私はクリアーを深く返した。 大翔はネットギリギリニ落ちるドロップを打ってきた。 私はヘアピンで返した。 シャトルはネットに絡みつくように大翔のコートにかえった。 が…わずかにラインを越えアウト… 「やるな!」 大翔が優しく私に言った。 「まだまだ!」 私は構えた。 その後も私は点がとれずに、残すところ後一点でラブゲームになってしまう状態。 「いくぞ!」 大翔はサーブを打ってきた。 私はシャトルを追った。 長いラリーが続いた。 そう…大翔はスマッシュを打って来なかった。 …悔しい… 私は叫んだ。 「手加減しないで!」 次の瞬間大翔のスマッシュが私の足元に炸裂した。 私は一点も取る事が出来なかった。 が…気分がよかった。 「やっぱり強いね…完敗です。」 ネットを挟んで握手を求めた。 「本気でやったよ!」 大翔は笑いながら握手に応じてくれた。 「約束覚えてるよね?」 悪戯っ子のような目をする。 「一つだけ聞いてもいいかな?」 私は観念した。 「何?」 「何で私なの?」 いきなり彼女になれと言われても、どうしても納得出来なかった。
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