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「理由はない。単なる一目惚れ!」
1番納得いかない理由だった。
「この私のどこに一目惚れするのよ!」
呆れてしまった。
「それは俺の勝手だろ!」
そう言いながら私の頭をこついた。
「なっ!」
私は頭をおさえながら大翔を睨んだ。
「部活終ったら一緒に帰るからな!」
そう言われ、反論しようとした時に、先輩部員がやってきた。
「あら~はやいのね。」
部長が優しく微笑んだ。
その後、何もなかったかのように部活動に参加した。
「お疲れ様でした!」
私と加奈は並んで歩き出した。
校門を出た所で大翔に呼び止められた。
「おいっ!約束無視するなよ!」
怒った顔をしていた。
「希望、私先に行くね。またね」
加奈は気を利かせたのか走って行ってしまった。
「かっ加奈!」
呼び止めたが、加奈は振り返らずに行ってしまった。
「いくぞ!」
そう言いながら私の手を握って来た。
「キャッ!」
免疫のない私は思わず固くなってしまった。
「小さい手だな。」
そう言った大翔の顔はとても優しかった。
私はやっとの思いで言葉にした。
「恥ずかしいから、手をはなして。」
大翔は首を横に振った。
「お願い。」
顔から火が出てしまうのではないかと思う程、顔が熱くなっていた。
「ちょっと付き合って。」
大翔に引っ張られ歩いて行った。
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