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教室に行くと既に大翔は席に着いていた。
「遅いぞ!おはよう希望。」
笑顔が眩しい。
「おはよう!昨日はありがとうね。」
私はなるべく小さな声で言った。
「朝飯食って来たのか?元気ないなー!」
そう言って私の頭をクシャっと触る。
「見た~?」
「羨ましい~」
女子のヒソヒソ話しが耳に届く。
「やめてよ。」
私はついきつい口調で言ってしまった。
「おっ!元気出たじゃん。」
大翔は少し悲しそうな目をしたが、笑って私を見た。
まわりが気になって素直になれない。
自分の容姿を恨んだ。
「希望、俺と付き合ってる事知られたくないのか?」
大翔が小さな声で聞いてきた。
私は何も答えられなかった。
「来いよ!」
腕を掴まれ私は大翔に引っ張られた。
「何あれ~」
女子の悲鳴に近い声が響いた。
大翔は私の腕を掴んだまま屋上へ…
二人きりの屋上。
私は俯いたまま身動きが出来ないでいた。
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