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大翔が口を開いた。
「俺と付き合ってる事がそんなに恥ずかしいか?」
私は首を横に振った。
「よかった。」
大翔は本気で安心した様子だ。
「私、まわりの目が気になって…」
正直に伝えた。
「何で?何が?」
大翔は鈍感なの?
私は大翔を見つめた。
程よくついた筋肉は制服の上からでもわかる。柔らかそうな髪の毛、小さな顔。スラリと伸びた手足…顔のパーツは全て整っている。
私は姉と比べられて来た。だから余計に敏感になっていた。
私は大翔に言った。
「神崎君と私、釣り合わないの一目瞭然でしょ?何で私みたいな不細工が彼女なのって思われるのがわかってるから。散々小さな頃から姉と比較されてきて、慣れっこなはずなのに、やっぱり怖いんだ。」
大翔はため息を着いた。
「釣り合わない?そんなのは他人が決める事じゃなくねぇ?俺はお前が好きなんだよ、お前も俺を好きなんだろ?それだけじゃ駄目か?」
私は座り込んだ。
「昨日、姉を見てどう思った?」
私の質問に、
「優しそうな姉ちゃんだったな!」
「それだけ?」
私は大翔を見つめた。
「緊張していたからな…いきなり姉ちゃんに会って舞い上がった!」
私は大翔の言葉に、やっぱりねと納得していた。
「男なら、姉を見たら舞い上がるよね。私達全然似てないでしょ?姉は成績も良いし、美人だし、髪の毛はサラサラだし…」
言いながら涙がでてきた。
「お前は馬鹿だな。」
大翔が私の頭を撫でながら顔を覗きこんだ。
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