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私は俯いたままだった。
「舞い上がったって意味違うよ。彼女の家族にいきなりあったら緊張するだろ!それに、俺は希望のフワフワの髪の毛が好きだし、負けず嫌いな所も好きだ。優しい所もな…短所だと思いすぎ!それは個性なんだぞ!」
大翔はそう言って私を立たせた。
向き合った大翔を見上げる。
大翔は優しく私を見下ろして笑う。
次の瞬間私は大翔の腕の中に居た。
「ひ…大翔…」
きつく抱きしめられて苦しい反面嬉しかった。
「気にするなよ。まわりなんか関係ないよ。姉ちゃんもな!俺は希望が1番かわいいの!わかった?」
私が1番?
昨日に続き、大翔の言葉に頑なな気持ちがとけて行った。
「ありがとう大翔。」
私はまだ涙が残る瞳で彼を見つめた。
「馬鹿…希望好きだよ。」
そう言った瞬間、大翔の唇が私の唇に触れた。
私の身体を電気が走り抜けた。
唇が離れた。
「他の男の前でそんな顔するなよ!」
そう言ってまた唇を重ねてきた。
私の心臓は試合の時よりもドキドキしていた。
「好きだよ希望。」
心地よい大翔の声。
入学早々サボってしまった事を忘れるくらい幸せだった。
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