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合宿当日。
「気をつけてね!」
母が見送ってくれた。
「行ってきます!」
私は大きなバッグを抱え駅に向かった。
「希望おはよ~」
加奈が手を振っていた。
その横には大翔が居た。
「なんでいるの?」
逆方向なのに…
不思議に思いながら走った。
「荷物重たいだろうなって!」
私の荷物を軽々と抱えた。
「加奈ちゃんは、おいっ!早く来いよ!」
大翔が呼びかけると、柱のかげから同じバドミントン部の白田君が現れた。
「おはよ…」
少し照れたような感じで挨拶する。
「ほらっ白田!」
大翔が白田君を急かす。
白田君は加奈の荷物を抱えた。
「えっ?いっいいよ~悪いし。」
加奈は慌てた。
「持たせて!」
白田君は真っ赤な顔をしていた。
うとい私でもピンと来た。
白田君は加奈が好きなんだ!
私はワクワクしていた。
「じゃあ行くか!」
身軽になった私は大翔のラケットケースと、自分のラケットケースだけを持ち、後に続いた。
加奈は少し戸惑いながら白田君と並んで歩いていた。
「結構あの二人お似合いかもね!」
私は大翔に言った。
「うまくいけばいいな~。」
大翔は呟いていた。
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