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その時携帯が鳴った。
母からだ。
「もしもし希望?今どこ?」
「家だよ。帰って来たら誰もいないから。」
私は少しふて腐れた感じで言った。
「ごめんね。ちょっと遅くなりそうなの。お金持ってる?」
母は元気が無い感じがした。
「持ってるけど、何かあったの?」
私は心配になり聞いた。
「帰ったら話すね。夕飯何か買って済ませて貰える?10時までには帰れるから。」
私は釈然としないまま頷き携帯を切った。
「皆で出掛けてるみたい。10時までには帰るから夕飯買って食べてだって…」
なんか淋しかった。
「そんな顔するなよ!俺が付き合ってやるからさ。」
大翔の大きな手が私の頭を撫でた。
「でも…大翔だって疲れてるよね。早く帰って休みたいでしょ?」
実際私もかなり疲れていた。
「くたくただけど、希望と一緒に居られるなら全然平気だよ。」
そう言って笑う。
「ありがと。私も大翔と居たい。じゃあ荷物だけ家に置いて、なんか食べに行く?」
大荷物を抱えてじゃ大変だと思った私は合い鍵で玄関をあけた。
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